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4.182022
事業再構築補助金の第6回公募開始、大きく変わった新しい枠組とは?
事業再構築補助金、第6回公募開始、締切は6月30日(木)18時!
3月28日に、事業再構築補助金の第6回公募開始の発表がありました。
公募要領も公開され、変更点についても公開されています。
新しく予算が組みなおされ、事業再構築補助金の枠組みも大きく変わりました。
これまでの「緊急事態宣言特別枠」は廃止され、「回復・再生応援枠」が新設され、
政府の成長戦略に沿った「グリーン成長枠」も新設されました。
「最低賃金枠」、「大規模賃金引上げ枠」は維持され、引き続き働く人への支援が強化されています。
売上高10%減少要件も緩和されたのは朗報です。
そこで、今回は変更点を中心に解説したいと思います。
1.事業再構築補助金、第6回公募の日程は?
募集締め切りは6月30日です。公募開始から締切まで3ヶ月で、準備不足の経営者にとっては余裕ができました。でも、あっという間に締切がきますので、早めに準備しましょう。
公募開始:3月28日(月)
申請受付:5月下旬~6月上旬を予定
申請締切:6月30日(木)
採択発表予定: 9月上旬~中旬と予想
なお、直前の第5回の採択発表は6月上旬~中旬のため、再申請をする場合は余裕がないので要注意です。
2.第6回公募の変更点は?
以下、主な変更点の概要です。
1)売上高10%減少要件の緩和
これまでは、10%減少要件と5%減少要件を同時に満たす必要がありましたが、緩和され10%減少だけになりました。
2)回復・再生応援枠の新設
内容は「緊急事態宣言特別枠」とほぼ同じですが、新規性要件から「主要な設備の変更」が外れ、緩和されています。
3)グリーン成長枠の新設
グリーン成長戦略「実行計画」 14 分野の課題解決を行う取組に対し、補助上限が最大1.5億円の枠を新設しました。
4)通常枠の補助上限額の見直し
通常枠の補助上限額が見直され、従業員規模によりこれまでの3区分が4区分になり一部減額となります。
5)その他運用改善等
①最低賃金枠は維持されます。
②大規模賃金引上げ枠は維持されます。
③新規事業の売上高が総売上高の10%以上要件が、売上高のほか付加価値額15%以上も認められるように緩和されました。
3.変更点の具体的な内容は?
1)売上高10%減少要件の緩和
これまでの要件
①2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前と比較して10%以上減少 していること
②2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前と比較して5%以上減少 していること
この①と②を同時に満たしている必要がありました。
今回の要件
①2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前と比較して10%以上減少 していること
②が撤廃され、①のみと緩和されました。朗報ですね。
これまでは 2020年4月以降と2020年10月以降の両方で要件確認が必要でしたが、6回からは2020年4月以降だけの確認となりました。申請者にとって要件確認が大変楽になりました。
2)回復・再生応援枠の新設
補助金額
【従業員数5人以下】 100万円 ~ 500万円
【従業員数6人~20人】 100万円 ~ 1,000万円
【従業員数21人以上】 100万円 ~ 1,500万円
補助率 3/4(中小)、2/3(中堅)
補助率はこれまでの「緊急事態宣言特別枠」と同様に3/4(中小企業)で、事業者にとっては嬉しい補助率となっています。
また、事業再構築指針の新規性要件において、これまで「主要な設備の変更」が必要だったのが不要となり緩和されので朗報です。
ただし、単月の売上高30%以上減少要件の対象期間が「緊急事態宣言特別枠」と違っていますので、注意が必要です。
これまで「緊急事態宣言特別枠」では、2021年1月~9月が対象でしたが、2021年10月以降に変わっていますので注意が必要です。
3)グリーン成長枠の新設
補助金額
【中小企業】 100万円 ~ 1億円
【中堅企業】 100万円 ~ 1.5億円
補助率 1/2(中小)、1/3(中堅)
グリーン分野で事業再構築を行う事業者を対象にした新たな取組み枠で、補助上限額が1.5億円と大規模な再構築が可能となっています。
グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題解決を行う取組みが必要です。
グリーン成長戦略については、経済産業省のこちらを参照してください。
・高い付加価値額の要件
事業計画の達成要件として、通常は付加価値額の年率平均3.0%以上の増加が必要とされます。
それに対してこの枠では、付加価値額の年率平均5.0%以上の増加が必要となります。
また、以下の①または②の取組みが求められ、技術力または人材力の強化が必要となります。
①2年以上研究開発・技術開発が必要
研究開発・技術開発計画書の提出が必要となります。
②従業員の人材育成が必要
人材育成計画書の提出が必要となります。
従業員の10%以上が年間20時間以上の外部研修または専門家を招いたOJT研修が必要となります。
・複数回採択が可能
通常は1者につき採択は1回しか認められていません。しかし、既に採択されている事業者でもグリーン成長枠で採択が可能になっています。
ただし、既に採択されている事業内容と異なる事業内容(別事業要件)であること、実施できる体制と財務能力があること(能力評価要件)が求められます。
申請には「別事業要件及び能力評価要件の説明書」の提出が必要となります。
4)通常枠の補助上限額の見直し
補助上限額が見直され、従業員規模によりこれまでの3区分が4区分になり一部減額となります。
補助金額
【従業員数20人以下】 100万円 ~ 2,000万円(前回まで4,000万円)
【従業員数21人~50人】 100万円 ~ 4,000万円(前回まで6,000万円)
【従業員数51人~100人】 100万円 ~ 6,000万円(前回まで8,000万円)
【従業員数101人以上】 100万円 ~ 8,000万円(前回まで8,000万円)
補助率 2/3(中小) 6,000万円越は1/2(中小)、1/2(中堅) 4,000万円越は1/3(中堅)
売上高10%以上増加の要件、付加価値額の年率平均3.0%以上増加の要件は従来どおりです。
先に説明しましたが、売上高10%以上増加の要件は、2020年10月以降の5%以上増加が撤廃され、対象期間が2020年4月以降の10%以上増加だけに緩和されています。
5)その他運用改善等
①最低賃金枠は維持されます。
補助金額
【従業員数5人以下】 100万円 ~ 500万円
【従業員数6人~20人】 100万円 ~ 1,000万円
【従業員数21人以上】 100万円 ~ 1,500万円
補助率 3/4(中小)、2/3(中堅)
通常枠の要件に加え、以下の要件が必要となります。
・最低賃金要件
2020年10月~2021年6月までの間で、3ヶ月以上
最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
これを証明するために「賃金台帳」の提出が必要となります。
最低賃金については「厚生労働省HPの地域別最低賃金額」を参照してください。
・最賃売上高等減少要件
(1)2020年4月以降の単月の売上高比較で30%以上減少していること
または
(2)2020年4月以降の単月の付加価値額比較で45%以上減少していること
②大規模賃金引上げ枠は維持されます。
補助金額
【従業員数101人以上】 8,000万円超 ~ 1億円
補助率 2/3(中小) 6,000万円越は1/2(中小)、1/2(中堅) 4,000万円越は1/3(中堅)
通常枠の要件に加え、以下の要件が必要となります。
・賃金引上要件
補助事業終了年度(基準年度)から事業計画終了年度までの間、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上が求められます。
また、申請時点で従業員等に賃金引上計画の表明が必要となります。
事業場内最低賃金とは、補助事業実施場所で働く従業員に適用する時給額(月給制などの場合は時給換算した額)のうち最も低い額となります。
・従業員増員要件
補助事業終了年度(基準年度)から事業計画終了年度までの間、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1%以上)増員が求められます。
③新規事業の売上高が総売上高の10%以上要件が、売上高のほか付加価値額15%以上も認められるように緩和されました。
これまで事業再構築の類型の「新分野展開」、「業態転換」では、事業計画終了年度で新規事業の売上高が総売上高の10%以上が求められました。
しかし、今回から新規事業の付加価値額が総付加価値額の15%以上でも要件を満たすように緩和されました。
これまで売上規模が大きい事業者が、新規事業だけで売上高10%以上の計画を策定することはとても大変でしたが、それが緩和されました。
4.まとめ
公募が開始された、事業再構築補助金の第6回公募について
1)売上高10%減少要件の緩和
2)回復・再生応援枠の新設
3)グリーン成長枠の新設
4)通常枠の補助上限額の見直し
5)その他運用改善等
を解説しました。
詳細を知りたい方は、以下のサイトへアクセスしてみてください。
参考記事