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事業再構築補助金 担保権設定承認申請とは?

業再構築補助金 担保権設定承認申請とは?

 

6月9日に、事業再構築補助金の第5回公募 採択結果が発表されました。

幸いにも、弊所がサポートした3事業者の方が採択されました。

それと平行して第4回以前に採択された事業者さんの交付申請や交付申請後のサポートしていますが、
その中で他の補助金では扱われない「担保権設定承認申請」という、ちょっとやっかいな申請が必要となる場面が出て来ます。

そこで今回は、担保権設定承認申請について具体的な申請書の記載方法と、差し戻しへの対応事例をお伝えします。

 

1.事業再構築補助金の担保権設定承認申請とは?

事業再構築補助金は、「建物費」が補助対象経費になっているとても珍しい補助金です。
経産省の補助金としては、代表的なものとして、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金などがあります。
しかし、いずれも「建物費」が補助対象経費とはなっていません。

そこで「建物費」が補助対象経費となっているとどういうことが起こるかというと、補助金で改修する建物などに担保権が設定されている場合が起こります。
なぜ担保権(抵当権や根抵当権)を設定されるかというと、建物を担保に金融機関から融資をしてもらい、そのときに担保権が設定されるためです。

一方、補助事業を実施する時に、一般的に補助事業での資産に抵当権を設定してはいけないというルールがあります。
(簡単に言うと、融資の返済ができないときに金融機関に補助事業の資産を処分されると困るからです)

以下に事業再構築補助金の「補助事業の手引」の抜粋を示します。

事業再構築補助金の交付申請では、交付申請書別紙1に費目別の経費を記載したり、経費明細書に補助金申請額などを記載して申請します。

そして、この交付申請書別紙1の一番右端に「補助対象経費により取得する建物に係わる宣誓・同意書」シートが付いています。
この「補助対象経費により取得する建物に係わる宣誓・同意書」に、建物の担保権設定の有無を記載して申請します。

 

2.担保権設定承認申請書への記入例

交付申請を行い、何度か差し戻しの後にやっと交付決定されます。

すると、建物に担保権有りの交付申請を行った事業者のところに「担保権設定承認申請」を行い承認を取ってくださいとのメールが送られて来ます。
申請書は以下のところからダウンロードできます。(事業再構築補助金サイト 採択事業者向け資料)

それでは、申請書への具体的な記載例をお伝えして行きます。

今回は 【改修・根抵当権の場合】をお伝えします。

エクセル形式の申請書のそれぞれの項目毎に、記載すべき内容と記入例を解説します。

受付番号:RXXXXXXXXXX(交付決定通知書に記載)
枝番:000(交付決定通知書に記載)
事業者名:株式会社〇〇〇〇(GビズIDアカウントでの登録名)

 

区分:建物(プルダウンから選択)
財産名:配送センター(事業実施場所の事業所名)
事業実施場所所在地:〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

品目が建物の場合:改修である(プルダウンから選択)

取得年月日:2022/10/31(建物の改修完了(予定)日:西暦YYYY/MM/DD)
取得価格:10,000,000(例:建物の改修費用)
担保権設定予定日:2022/10/31(建物に担保権の効力が及ぶ予定日:通常、改修完了日)

担保権の種類:
 ①上段:根抵当権(プルダウンから選択)
 ②下段:(担保権名)(上段で「その他(手入力)を選択した場合)
担保権者:〇〇銀行(担保権を所有する金融機関名:法人格、支店名は不要)

債権者:〇〇銀行(借入先の金融機関名:法人格、支店名は不要)
債務者:株式会社〇〇〇〇(借り入れる事業者名:通常は本申請者)

契約締結日:2007/07/07(根抵当権設定日:過去日)
貸付実行日:2007/07/07(根抵当権設定日:過去日)
債権額:50,000,000(根抵当権極度額)
資金使途:設備投資(根抵当権設定時の借入にかかる資金使途)

抵当権設定の理由:融資を受けるため(記載要領に記載なし:問い合わせに対する事務局回答)
備考:未記載

いかがでしょうか?あまり補助金申請では見かけない申請内容ですね。

 

3.担保権設定承認申請と差し戻しへの対応

1)担保権設定承認申請

申請書の準備ができたら、Jグランツにログインして申請を行います。

担保権設定承認申請のJグランツの申請マニュアルがあるのですが、これでは申請する場所を見つけられませんでした。
(操作マニュアル_事業者用-担保権設定承認申請)

そこで「操作マニュアル_事業者用-交付申請 第7版r」を参照して、
マイページ>申請履歴>事業名をクリック>事業の詳細で「担保権設定承認申請」を見つけました。
ここから、担保権設定承認申請書 をアップロードして申請完了です。

2)差し戻し

申請して安心したのもつかの間、事務局から修正依頼(差し戻し)がありました。

修正内容は2つ。

1)担保権設定承認申請書の備考欄に以下を追記
 「改修財産にもともと設定されている根抵当権に対し、極度額増額等の変更は行いません。」

2)参考様式20-2 補助対象経費により取得する建物に係る宣誓・同意書 を作成
  具体的には、建物の業務用途を、例えば「倉庫改修費」から「配送センター」に変更します。

  これは何のために作成するかと言えば、別紙1の「補助対象経費により取得する建物に係わる宣誓・同意書」を修正するためです。
  このシートの「建物の業務用途」には、プルダウンで例えば「倉庫改修費」などを選択するようになっています。
  そのため、担保権設定承認申請書の財産名「配送センター」と「倉庫改修費」が合わなくなってしまいます。
  そこで 個別の書式(参考様式20-2)を使って一致させるのです。
  
 提出方法は、1)の申請書と一緒にzipファイルにして提出します。

Jグランツのマイページ(申請済み)の担保権設定承認申請の差し戻しのところからファイルをアップロードします。

 

4.まとめ

事業再構築補助金は、建物費が補助対象経費となっており、事業者にとっては大変使い勝手の良い補助金です。
使い勝手の良い分、担保権設定という他の補助金にはない課題があります。
これを解決するための仕組みが「担保権設定承認申請」なのです。

少々やっかいな申請ですが、このブログを参考に、是非、申請に取り組んでみてください。

事業再構築補助金HP

参考記事

事業再構築補助金の第5回公募の採択結果が公表、採択率は?

事業再構築補助金の第6回公募開始、大きく変わった新しい枠組とは?

補助金セミナーのダイジェスト版

事業再構築補助金 交付申請とは?(2回目/全2回)

事業再構築補助金 交付申請とは?(1回目/全2回)

事業再構築補助金 事前着手承認とは?

事業再構築補助金の事業計画書とは?

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